【個展】岐阜・多治見|藤村佳澄「初夏の個展」

-藤井

藤村さんはどちらのご出身なんですか?

 

-藤村

生まれは広島県の呉市というところの海沿いの町で生まれ育ちました。

 

-藤井

ご家族はどんな構成ですか?

 

-藤村

家族は、おばあちゃん、父母、おねえちゃんがいます。

 

-藤井

どなたか、陶芸やられてたりとか、そういう世界にいらっしゃる方いるんですか?

 

-藤村

普通のサラリーマン家庭に育ちました。

 

-藤井

ご家族はそういう陶芸やられてたりとか、しないってお伺いしたんですけど、なぜ陶芸の道に行かれたんですか?きっかけみたいなところ

 

-藤村

きっかけは尾道にカフェギャラリーみたいなのがあって、そこで作家さんの陶器だったりガラスだったりのグループ展をやっていて、そこで、あるガラス作家さんの器を見て、素敵だなと思って、誰かを喜ばせるようなことをしてお金を稼いびいくっていうのは素敵な仕事だなと思って、そこから興味がすごい深まりました。

 

-藤井

それはおいくつぐらいの時ですか?

 

-藤村

大学3年か4年ぐらいです。

 

-藤井

大学3、4年までは、将来これやろう、あれやろうみたいな、ほとんどなかったんですか?

 

-藤村

最初はずっとデザイナーとして普通に就職しようって思っていました。

 

-藤井

大学はデザイン系に進まれたんですか?

 

-藤村

デザイン系の勉強をしていました。

 

-藤井

高校生のときにデザインやりたいなというきっかけがあったんですか?

 

-藤村

高校生の頃は建築士になりたいなって思ったりしていました。

 

-藤井

そこから大学に進まれるタイミングで、建築系の学科へ行かずにデザインに?

 

-藤村

それはセンター試験の理系科目でこけてしまったので、美術系で、こういう学校もあるよと担任の先生が教えてくれて、それで受けた感じです。

 

-藤井

大学進まれて、デザイン系を学ぶようになって、そこからギャラリーで器を見た?

 

-藤村

そうです。

 

-藤井

大学生の頃は、陶芸に実際に触れる機会とかっていうのはあったんですか?

 

-藤村

一応、そういう部屋とかがあって、自由にやれる環境ありました。ちょっとだけやりました、陶芸

 

-藤井

でも、その程度で、大学でしっかりこうやった訳とかではなくて?

 

-藤村

半年ぐらい、ろくろを教えてもらったりっていう感じでした。卒業前の半年ぐらい。

 

-藤井

そこから、いざ卒業っていうふうになると思うんですけど、そこからどんなキャリアを歩まれたんですか?

 

-藤村

そこから岐阜県の多治見市にある陶磁器意匠研究所っていう学校がありまして、そこに2年間通いました。

 

-藤井

全国いろんな窯元があると思うんですけど、その多治見の意匠研究所に入ったきっかけは何だったんですか?

 

-藤村

大学のときに意匠研究所に通っていた先生が、助手さんでいて、その方に多治見をすすめてもらって、そこからの縁です。

 

-藤井

実際に多治見に来てみたのは、入学が決まってから?

 

-藤村

最初に来たのは大学3年生ぐらいのときに友達3人で旅行しに行きました。

 

-藤井

そのときの多治見の印象は?

 

-藤村

田舎の感じが程よいかなっていう、過ごしやすそうな感じは受けました。

 

-藤井

実際に多治見の意匠研究所で2年ぐらいやられてたと思うんですけど、どんなことをやるんです?

 

-藤村

ろくろの実習だったり、課題を与えられて、例えば、音楽を聞いて、11人好きな歌とかをチョイスして、歌音楽に合わせて自由に作るみたいな、そういう課題とかやりました。

 

-藤井

意匠研究所を出られて、そこからは、どんなキャリアを、いきなり独立ってわけじゃないですよね?

 

-藤村

いきなりもう、販売みたいなことをやったりもしました。全然売れなかったんですけど。

 

-藤井

でも、どうやって暮らしてたんですか?

 

-藤村

ずっとアルバイトをやっていました。

 

-藤井

器も売りつつ、アルバイトで生計を立てて

 

-藤村

ほとんどアルバイトです

 

-藤井

どんなアルバイト?

 

-藤村

最初は飲食店のアルバイト、あとは土岐にアウトレットがあって、その洋服屋さんの販売とか、いろんなアルバイトしました。

 

-藤井

卒業されて、定期的に例えば、陶器市に出されたりとかはしてたんですか?

 

-藤村

そうですね。多治見の陶器まつりは、ほぼ毎年出していました。

 

-藤井

一般的に意匠研究所をでたら、お弟子さんになるとか、いきなり独立とか、どんなパターンがあるんですか?

 

-藤村

いろいろあって、弟子入りする人もいたり、デザイナーとして陶磁器メーカーに就職する人もいますし、独立して私みたいにアルバイトしながらっていう人もいます。

 

-藤井

独立してアルバイトしながらでも、器を売っていこうって決めた理由は何かあったんですか?いろんな選択肢がある中で、それを決めるって結構なチャレンジングな、保守的に行こうと思うと、就職しようかなとか、修行しようかなとか思うと思うんですけど、いきなり独立をされたのは自分に合ってると思ったからとか

 

-藤村

就職してしまうと多分そのまま就職したままいっちゃうだろうなっていうのもあったので、厳しい環境に身を置いた方が、独立への道が近道になるのかなという感じです。

 

(休憩の雑談は省略しています)

 

-藤井

意匠研究所を出て、プチ独立みたいな、ちょっとずつみたいな感じですけど、そこから今みたいに専業で食べれるようになるまではどのぐらいかかったんですか?

 

-藤村

もう20代はずっとバイト生活で、30代入ってから、ここ3、4年ぐらいで、やっと食べていけるようになりました。

 

-藤井

何かきっかけはあったんですか?

 

-藤村

きっかけは土岐の器屋さんでアルバイトをしていたときの店長さんが、結構、若いときにジーンズショップやられていたりとか、そういうことがあって、商売っていうのはこうあるべきみたいなものを教わったのが、それを使ったのが良かったと思います。

 

-藤井

作風で言うと、卒業されてから多分いろんな試行錯誤があったと思うんですけど、どんな移り変わりをしていっていますか?例えば最初はこんなん作ってたけど、今こんな作るようになってこんなきっかけで何かこれが評価されるようになってとか

(撮り直し)

どんな作風で変化をしてきていますか?

 

-藤村

最初はこういうような急須を作っていって、急須はもうずっと作り続けているものになります。そこから5、6年ぐらい前に、今のカヌレ茶器と名付けた、カヌレみたいな茶杯を作って

 

(撮り直し)

-藤井

デザインとかは何か変化があったりとか釉薬を変えたとか、そういうのは独立されてから、今、1人立ちでバイトもせずに食べれるようになるまで、何かどんな変遷とかってあるんですか?

 

-藤村

最初の意匠研の卒業制作展のときに、こういうようなほとんどデザインを似たような形のものを作って、急須はもうずっと作り続けています。そこから、お皿などを作り始め、45年ぐらい前にこういうカヌレを作り始めました。

このカヌレを作り始めてから、結構お客さんに認知してもらえるようになったかなっていうのはあります。

 

-藤井

今、真っ白な器が並んでますけど、カラーのバリエーションとか、そういうのは元々白がほとんどだったんですか?

 

-藤村

そうですね。白マットからスタートしています。

 

-藤井

最近はブロンズとかもありますけど、これはいつごろから?

 

-藤村

これもその4、5年ぐらい前からです

 

-藤井

ブロンズをやろうと思われたきっかけは?

 

-藤村

居酒屋で会ったおっちゃんに、全然黒い器を作ってなかったのに、僕は黒い器が欲しいなって急に言われて、どうしようと思って作ったのが最初です。

(撮り直し)

 

-藤井

ほとんど白だけだったけど、ブロンズの器とかも最近増やしたんですか?

 

-藤村

そうですね。45年ぐらい前に、ブロンズは作り始めまして、作り始めたきっかけは、居酒屋でよく会っていた常連のおっちゃんに、ぐい飲みが欲しいと言われて、色はブロンズ色がいいなというのを言われて、その時は全然ブロンズ色は作ってなかったんですけど、そう言われたから、作ってみるかっていうので試行錯誤して作ったのが、きっかけです。

 

-藤井

ブロンズはどんな特徴があるんですか?

 

-藤村

ブロンズは結構光を当てていただくとキラキラしてるような質感になります。

 

-藤井

白は、どんな質感?

 

-藤村

マットな感じで、結構、茶渋とかが中まで浸透しないので、結構長く使っていただけると思います。

 

-藤井

作品でこだわってるとことか、ここはちょっと見て欲しいかなと思うところってありますか?

 

-藤村

まず、かわいらしさです。

 

(撮り直し)

-藤井

制作におけるこだわりのポイントとか、試行錯誤しているところを教えてください。

 

-藤村

こだわっているのは、ぱっと見はシンプルな感じで、やっぱり器よりも料理がメインだと思っているので、料理が映えるような、形だったり色っていうのを目指しています。なるべく使い勝手も良いようにしようと思っていて、水切れとかもよく、したったりしないように、ということは気をつけて作っています。

 

-藤井

実際に使ってくださるお客さんで、こういうとこがよかったよとか、デザインのところとかで褒められる点ってあります?

 

-藤村

陶器市に出していると、かわいいとか言って立ち止まってくださる方が多いと思います。

 

-藤井

その辺は元々デザイン学ばれてたっていうのもあるんですか?

 

-藤村

いや、大学の頃のデザインはそんなに

 

-藤井

でも、見た目のかわいらしさみたいなので、買ってくださる人が多い?

 

-藤村

そうですね。そうですねじゃ駄目なんですよね。

 

-藤井

だから、買ってくれるお客さんは見た目のデザインを気に入ってくださる方が多いですねみたいな感じで言ってもらえると助かります。

器とか茶器のバリエーションどんな種類があるんですか?

 

-藤村

器は、こういう急須類が3種類ぐらいありまして、このカヌレが結構主力の選手になっていて、あとはリム皿とかお皿が何種類かあります。あとはボウルとか、コンポートと言われる器があります。

 

-藤井

最後は今回、京都で個展をやってもらうということなんですけど意気込みだったりとか、何かこんなところを見てほしいなとか、そういうのがもしあれば教えてください

(撮り直し)

今回の個展に来ていただく人にメッセージをお願いします。

 

-藤村

今回のノカゼさんの個展では、1点1点愛情込めて作って、京都へ持っていきますので、ぜひフラッと遊びにお越しください。