伝統技法が作り出す、竹細工の機能美と魅力|京都・宇治田原|「ユウノ竹工房」岡悠さん

-藤井

ご出身はどちらでしょうか?

 

-岡

出身は北海道札幌市です。

 

-藤井

幼少期はずっと札幌で過ごされたんですか?

 

-岡

20歳までいました。札幌に。

 

-藤井

こっちに出てこられたっていうのはどういう理由ですか?

 

-岡

京都に来たきっかけは伝統工芸をやりたいとずっと思っていたんです。それで竹細工と決めてはいなかったんですけど、とにかく伝統工芸がしたいと思ったんで、いろいろ北海道で探していたんです。職人学校というのも、小樽にあって、そこにちょっと望みをかけていろいろ探したりしたんですけど、結局私のやりたいものがなくて、その探していく中で、竹細というものに決めていこうって思ったんです。いろいろ九州まで行ったりとかも1回したんですよ。

竹細工は九州も有名ですし、鹿児島の方とかまで行ったりしたんですけど、でも諦めて帰ってきて、札幌の図書館で本を探していたら、タンコウという京都の雑誌があるんですけど、その裏に京都伝統工芸専門学校と書いてあって、もう学校で教えてくれるんだとなって、それでもう「京都」となってしまって、それで京都にきました。

 

-藤井

そこからは学校で、まさしく竹を学ばれたんですか?学校で学ばれたことってどんなことだったんですか?

 

-岡

学校では竹を割って、物にしていくという、ナタからを使って、自分で1から製品を作り上げていくっていうことを2年間かけて学びました。

 

-藤井

ご卒業されてからは、どんなキャリアを積まれたんですか?

 

-岡

学校を卒業してから、そこで講師をしていた先生に弟子入りすることが叶いまして、そこで5年間修行という形で京都の東山で学びました。

 

-藤井

独立されたきっかけというのは、どういう経緯ですか?

 

-岡

修行して5年で、そこを卒業したんです。その時にはいろいろ事情があって、竹をやりたくないと思う時期があったんですよ。それで結婚・妊娠・出産も挟んだので、修行を終えてから3〜4年、間が空いてから、やっぱり、竹をまたやりたいっていう気持ちが起きてきたので、そこで自分でやってみようかなと思ったんで、大したきっかけはないです。

 

-藤井

でも独立されて、徐々に多分お客さんとかも増えてこられたと思うんですけど、何かきっかけとかありましたか?こういう作品が何か面白いねって言ってもらえたとか

 

-岡

今の状況になるまでのきっかけって明確にあったのかっていうと、わからないんですけど、卒業した学校の関係でお店をされている方がいたんです。その方と共通の知人を介して知り合って、そこでお店に置いてもらえることになったんですけど、その方がInstagramされていて、あれは2人目を産んだときだから、6年ぐらい前なんですけど、そこで最初は納品してたんですよ。その後に展示会してみないかと言われてフタリ展のお声がかかって、本当にそこからなんです。

そのときに元々竹をどう自分で作っていきたいかっていうことを模索してたときに、ずっと学んだ竹細工の技術をあるし、竹細工と言っても百均からいろいろ国産のものだったり、昔ながらの竹の道具だったりというものがあって、その中で誰も見たことがないものを作りたいなと思ってたんです。

その中でお弁当箱だったり茶漉しなどを作って、展示会に出したのがきっかけといえばきっかけです。そこのお店のインスタでよく表現してもらって、そこからまた産休に入ったのかな。産休に入ったんだけど、お弁当箱を売ったのは2、3個だったんだけど、それを欲しいと言ってくださる方がたくさんいて、1年ぐらい待つけどいいですか?と言ったんだけど、待ってくれると言うので、そこから結構、注文が増えて行ったです。こういう流れって止まらないというか、展示会で出したものとかも、他の方の目にも留まったんです。

 

-藤井

作られていて、すごくこだわっているところとか、あとは見てほしいポイントとか、そういうのはありますか?

 

-岡

こだわりは見たこともない竹細工を表現したいなと思っています。なので、竹の弁当箱は昔から多分あったと思うんです。おにぎり包むとかのも竹の皮が始まりだけど、その中で本当に見ていて楽しいし、ものとして使ってももちろん実用性が、あって、さらに見ていて美しく幸せになれるというのを目指して作っています。

 

-藤井

最後に、一番作家としてやっていて楽しいなって思うときどんなときですか?

 

-岡

一番楽しさを感じるときは、竹を割ってるときは無心になれて、それも楽しくて、編んでいるときは完成系を想像しながら編むことがすごく楽しいし、出来上がったら出来上がったものを見てすごく楽しいと、もう正直全てです。全ての瞬間、どこにおいても飽きがこないんです。普通は同じことをずっとやったら飽きるけど、竹細工は作るものによって材料から編んで仕上げていって、どんどん工程がたくさん