手の跡が息づく、やわらかなかたちの器

南江里子さんの「手びねり 5寸平皿」は、ろくろではなく、手で土をひねりながら形づくられた小さな平皿です。指の跡やわずかな歪みがそのまま器の表情となり、まるで手の中で呼吸するような、あたたかな存在感を放ちます。

土の質感を生かした釉薬は、光を受けるとほんのりと艶を帯び、焼き上がりごとに異なる景色を見せます。素朴でありながら、どこか品のある佇まいは、南さんの“日常をやさしく包むうつわ”そのもの。

お菓子や果物をのせる皿として、またアクセサリーや小物の受け皿としても心地よく使えます。触れるたびに手の温もりを感じる、暮らしに寄り添う一枚です。

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南 江里子さんのプロフィール

奈良県にて作陶。「器づくりと、うつろう日々のこと。土と遊び、土に学ぶ。心と暮らしにイロドリを…」という言葉の通り、自然の移ろいに寄り添ううつわを生み出しています。シンプルで飾りすぎない形に、やわらかな釉だまりや土味が表れる南さんの器は、「よりそう器」「うつろう器」というハッシュタグのイメージそのもの。朝食のパン皿から、晩酌の小鉢まで、日々の生活にすっとなじみます。季節や天気によっても見え方が変わる色合いは、使い手それぞれの時間と重なり合い、少しずつ表情を深めていきます。静かながらも、暮らしをそっと励ましてくれるようなうつわです。